白洲次郎の酒
しかし白洲には白洲なりの考えがあり、悠々とポルシェを足代わりに使った。彼にとってポルシェは乗るに価する自動車だった。そこには優秀な機械に対する彼なりの畏敬の念のあった。欧州をグランド・ツーリングした際に、ベントリーに対して懐いたと同様の。好きでもないのに見栄や体裁で黒塗りの高級車を買う連中を蔑んだ。会社や官庁の当てがいぶちならまだしも、プライベートで乗り回すなら、自分の好みを克明に表すべきだと考えていたのである。また、祇園で名義をはべらし、大いに酒を飲んだ。それでも滅多に酔うことはなかったという。たまに酔うと日本語より英語が飛び出し、日本語の語彙が減ってしまうのは長い英国留学のせいである。それでも分別を失わず、いい酒であったと彼女たちは言う(前掲,『太陽』)。(「白洲次郎の生き方」 馬場啓一) 「軽井沢のゴルフ場に頑固者の支配人がいて-」という話を聞いたことがありますが、それがこの人だったようです。
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